鮭を。

焼いて、と言われたんです。
仕事もあらかた終わった頃、まかない用に。

しかし、魚用の網があるわけじゃなく。
フライパンで焼くの?!と戸惑ったり、
なんせ私は料理とか普段からさっぱりだし。
「無理ですっっ」
とただ首を横に振っていたら
「花嫁修業みたいなもんやんか〜
 って、なんでそんなに腰が引けてんねん!(笑)」
と、見兼ねた副料理長がぱぱぱっと段取りして下さって、
「花嫁になんかなれませんよ〜」
と、口を尖らせつつ鮭と睨み合い開始。
「そうやなぁ…。もうちょっと早く出会えてたらなぁ…。
 あ、あとは見といてや。」
近くでまた鮭の切り身を切り出し始めた副料理長。
仕方なく焼き色を見ながらフライパンを揺するナヴ。

「あ。ナヴ、これも焼いて」
フライパンに追加でほうり込まれる鮭の切り身の末端。
「はーい」
焼け具合を見ては、焦げ付かないよう、
フライパンを揺するナヴ。

「…(笑)」

なんか今…笑われた?
「…なんですか?」
「あ、いや、ナヴがそうやって台所に立つ姿想像したら、
 なんか、いいなぁ〜と思って。」

いや…あの、もしもし?(笑)

「いや、私、料理とか本当にダメなんでっっ」
自分、話の軸ずらす気満々やがな。
「お母さんに電話で作り方聞いたりとかしてな〜」

キサマっ、あくまで私を新妻妄想に巻き込む気かっ!!

「いやぁ〜、あっはっは(乾笑)」
咄嗟に笑ってごまかす以外、方法が見つからなかった
私の負けなんですか。

余談。

焼けた鮭をつまみながら。
「ん。美味しい。」
あ、副料理長に言われるとすごく嬉しい♪
しかし、それを聞いてつまんだ人は一言、

「(塩)辛っ!!」

えぇぇっ?!
って、塩したのは私じゃないし!!

「他のやつには辛くても俺にとってはうまいよ?」

副料理長…。

「だって、ナヴの愛がこもってるもんな?」

いや、確かにこもってるけどさ!(そうなんかい)

この人のこういうところ。
ノリで何も考えずにこういうこと言えるところ。
きゃー♪じゃなくて、少し…達観してしまった今日は
鮭記念日。

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